クレイアニメ vol.2

クレイアニメ

大人も子どもも楽しい!クレイアニメ!



前回に引き続き、クレイアニメのご紹介です。
今回は、日本のクレイアニメ。

クレイアニメと言えばNHK教育テレビさんの『プチプチアニメ』。
粘土だけではなく、パペットや布、紙、砂などによる国内外のストップモーションアニメが見られる
5分間のミニ番組です。

現在ではCATVやCS放送、YouTubeなど様々見ることができるクレイアニメですが、
やはり「初めて見たのは『プチプチアニメ』!」という方が多いのではないでしょうか?(^^)


| NHK単発特番『プチクレイ』より【もぎもぎ】 


石田卓也さん(1956年~)の【もぎもぎ】。



1992年。現在も続くNHKさんの長寿番組『プチプチアニメ』の前身的な単発特番『プチクレイ』で放映されました。
【ガンビー】誕生から36年後、【ウォレスとグルミット】シリーズから2~3年後になりますね。

まだ大学に『アニメーション科』などがない時代。

クレイアニメ作家の石田卓也さんは、東京造形大学を卒業後アルバイトをしながら、アニメーションの自主制作集団
『グループえびせん』に所属。

(『グループえびせん』代表の片山雅弘さん(1955~2011)は後に多摩美術大学グラフィックデザイン学科より
アニメーション教育を始め、後進の育成に努められました。【つみきのいえ】でアカデミー賞短編アニメーション賞
を受賞した加藤久仁生さんもその一人。)

1994年~フリーになられクレイアニメの制作を始められました。

この方、今も子どもたちに大人気アニメのオープニングクレイアニメも担当されています!



この他、映画第2作【ブリブリ王国の秘宝】から始まったオープニングクレイアニメも担当されています。


| なぜイモ虫?【ニャッキ!】登場! 


1994年から始まったNHK『プチプチアニメ』に1995年から登場、現在も活躍中の【ニャッキ!】。
ミントグリーンのイモ虫『ニャッキ』とその友だちが繰り広げる驚き?の日常。

ニャッキたちのかわいい表情や仕草に対して家の中や電車、路地などキャラクター以外は実物やリアルな模型が
使われているので、何だか自分も小さくなってその中にいるような錯覚に陥ります。



【ニャッキ!】はクレイアニメーションを中心に活躍するアニメーションディレクター伊藤有壱さん(1969~)
の制作です。

伊藤有壱さんは東京藝術大学卒業後、映像の企画制作会社さんに入社、1980年代後半からアニメーションディレクター
としてCM制作に携わるようになります。

そして、ご自分の作品も入選された1990年の広島国際アニメーションフェスティバルで前回(クレイアニメvol.1)
ご紹介しました【ウォレスとグルミット】に出会います。
 
 1990年(公開年)と言えば、アニメーションはコンピュータグラフィックス全盛の時代ですからね。
 そこに、あのアナログ表現は見事なカウンターパンチでした。
 僕も、クレイパペットやドールハウスが醸し出す得も言われぬ世界観、そしてシナリオとカメラワークの 
 秀逸さに心を奪われました。
引用元  CREATOR STATION 

が、その後4年間、クレイアニメには携わられていません。
それほどの衝撃を受けられた…ということでしょうか。

4年後。実際に『アードマンアニメーションズ』の創設者の一人ピーター・ロードさん(1953~)にお会いしたそうです。
 
 4年後にわいてきたのは、あの素晴らしき妄想のアニメーション化をもくろんだ天才ニック・パーク(監督)
 青年の未完成の卒業制作を4年もの長きにわたって支援した、アードマン・アニメーションズという
 制作会社への興味でした。そこで、1994年に英/ブリストルに渡って、単身で創設者の1人であり
 当時副社長だったピーター・ロードさんにお会いすることができたのです。
 ロードさんの言葉はどれも印象深かった中で、特に、「自分の居場所は自分でつくるものだ」が強く
 心に残ります。今、あらためてその意味を考えさせてくれます。
 自分のクリエイティブを最高のものにするために、道具からはじまって制作環境、仲間、発表していく場所や
 支持してくれる人々との関係など、すべてが「クリエイション」に通じている・・・なんて解釈をしています。
引用元  CREATOR STATION 

そして1か月後に帰国するとNHKさんから『幼児番組の企画』のお誘いがあり、【ニャッキ!】誕生となりました。

何と!当時は粘土を触ったことがなかったそうです。でも、棒1本なら何とかなるかと思いイモ虫が主人公に…
というようなことが別のインタビュー記事に載っていました(^^;

【ニャッキ!】登場から約25年が経ち、その間『プチプチアニメ』からはたくさんの作品と人気キャラクターが誕生し続けて
いますが、『ニャッキ』は今も元気に活躍中です!

伊藤さんは、その後フリーの活動を得て、1998年にアニメーションスタジオI.TOON Ltdを設立、2008年4月からは
母校東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻教授に就任され、教壇にもたたれています。

ちなみに【ニャッキ!】は1秒間に15回動かすそうなので、1回の放送(5分間)に4500回…(゜゜)

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|エンディングが印象的【ジャム・ザ・ハウスネイル】  


1996年登場。背中にお家を背負ったハウスネイル(ハウス(家)∔スネイル(カタツムリ))のジャムが
土管を背負った一人ぼっちのピぺと出会ってからお別れまでの全15話。現在でも再放送が行われています。

ストーリーも泣けます。
が、何と言っても印象的なのがエンディング。
『hi-posi(ハイポジ)』さんの【僕でありたい】。
歌をうたわれている『もりばやしみほ』さんがジャムの声も担当されています。



強烈な天然っぷりを発揮する現在の息子には「…あたりまえのことじゃない?」と怪訝な顔をされそうですが、
このたった6行ほどの歌詞とリコーダーの音に何だか心がざわつきます。

音楽ですので聞く方によって受ける印象は様々だと思いますが、「話は曖昧だけど、この歌は覚えてる!」
という方も多いのではないでしょうか?

【ジャム・ザ・ハウスネイル】の制作は、様々な手法のアニメーションを手掛けるアニメーション作家の野村辰寿さん(1964~)。
多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業後、制作プロダクションでCMディレクターとして活動後アニメーション作家に。

2012年から独立、前出の片山雅弘さん亡き後の多摩美術大学グラフィックデザイン科の教授になられています。

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今回は、日本のクレイアニメからNHKさん『プチプチアニメ』に絞ってご紹介させていただきました。
次回は、楽しいだけじゃない?!色々なクレイアニメをご紹介させていただきます♪

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