クレイアニメ vol.3

クレイアニメ

楽しいだけじゃない?!クレイアニメ!


今回は、リアルなストーリーのクレイアニメや不気味だったり、何ともモヤモヤだったりと『楽しい!』
だけじゃないクレイアニメをご紹介します。

「これは苦手だな…。」という方もいらっしゃるかと思いますので、ご興味がある作品のみご視聴ください(^^;

|クレイアニメを世に広めた【Closed Mondays】(クローズド マンディ) 


1974年ウィル・ヴィントン(1947~2018)さんとボブ・ガーディナー(1951~2005)さん制作。
1975年に第47回アカデミー賞短編アニメーション部門を受賞して、クレイアニメ人気のきっかけとなった作品です。

酔ったおじさんが酒瓶片手に、灯りがついてドアが半開きの無人の美術館にふと足を踏み入れます。
字幕がないのでもしかしてセリフの中でなんらか情報があるのかもしれませんが、残念ながら私にはわかりません(^^;

夜というだけで時間帯はわからず、またお休みの月曜日なのに開いているのか?はたまたそれ以外の日なのか?
わからないのですが、とにかくおじさんは気分良く、酔ったおじさん特有の笑いを浮かべながらヨタヨタと
入っていきます。

粘土らしい展示作品の変形はありますが、「こわっ!」というほどではありません。
おじさんの表情の変化とだみ声が一番不気味です。

が、ラスト。「ん?…ってことは??」となります。
(あくまで英語がわからない私が見るとですが(^^;)



ちなみに制作者のウィル・ヴィントンさんのスタジオが今の※Likaにつながっているそうです。
(※2005年設立 アメリカのアニメーション制作会社【コララインとボタンの魔女 3D】等日本公開作品多数)


|きっと実写では伝わらない。【ハーヴィー・クランペット】 


2003年アダム・エリオット(1972年~)さん制作。第76回アカデミー賞短編アニメーション部門受賞作。

トゥレット症候群のハーヴィー・クランペットが生まれてから晩年までの約20分間。
最初から最後までびっしりとナレーションが入り、しっかりとストーリーを伝えています。


出典        Simply Dead

https://www.youtube.com/watch?v=3ClRsCpQfTQ&t=1184s

またまた字幕がないので、ザっとあらすじをお伝えしますと…(日本語字幕DVDは出ています。)

逆さまで生まれてきたハーヴィー。
お父さんは木こり、お母さんは長く炭鉱で働いているため心身が少し病んでしまっていますが、ハービーをとても
かわいがり、学校でいじめにあってしまったハーヴィーに家で勉強を教えます。勉強=Facts(事実)。
EX1)ダチョウの目は脳みそより大きい。EX2)蝶は足でにおいをしる。EX3)象はどんなに頑張っても飛べない。など。

字が読めないお母さんが教えてくれた『事実を見つけて書き留めること』をハーヴィーは晩年までずーっと続けます。

その後ご両親が同時に亡くなってしまったり、戦争で国を出ることになったり、命の危機に遭遇したり、
新聞のニュースに傷つけられたり…

4回目の入院で出会った看護師さんと結婚して養子を迎え幸せになったと思ったら、奥さんが先に亡くなってしまいます。
養子に迎えた娘は優秀で仕事で遠くの国に行くこととなり、手紙がたまにくるだけだったことから認知症を患ってしまい、
一人で施設に入ることに。
(娘さんは薄情だったわけではなく、自身がサリドマイド被害児だったこともあり弁護士と
なった後、障害がある人を助けるために闘っていたのです。ハーヴィーのことは大好きで仲良しです。)

『もう人生を終わらせようかな…』…

何度か心を闇が覆うことがありますが、その都度『出合うこと』『起こること』により人生を逆さまにひっくり返して
生き続けるハーヴィー。

最後のFact。Fact.1034は『人生は煙草のようなもの。最後まで吸いきる。』です。
(ハーヴィーは1日28本吸います。喘息なのに…(^^;)

色々なご感想、ご意見がある内容かと思いますが、まず単純に引き込まれました。

このともすれば重た~いストーリーを、約20分間でどこかコミカルに表現できるのはクレイアニメならでは
だと思います。

そして、人はどんな境遇、環境で生まれたとしても、晩年はあまり変わらないのではないかと思いました。
生き続けることでたどり着いた場所は、もう何ら差のない誰しもに訪れる普通の老後、そして死なのではないかと。

アダム・エリオットさんの伝えたいこととは全然違うかもしれませんが(^^;
あくまで個人の感想です(^^;

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ハーヴィー・クランペット [DVD]


アダム・エリオットさんと言えばもう一作品。2008年制作【メアリーとマックス】があります。
こちらは約90分とアダム・エリオットさん、初の長編となっています。(1日4秒の制作で5年かかったそうです!)

こちらも日本語字幕DVDがでています♪

出典        究極映像研究所

日本語字幕予告編
https://www.youtube.com/watch?v=GuoOUti1qX0

あまり家庭に関心がないお父さんとお酒好きで万引き常習犯のお母さん、自身のおでこには茶色の痣もあり
学校でもいじめられる8歳の孤独な女の子メアリーとアスペルガー症候群で人とコミュニケーションがうまくとれず
同じく孤独な日々をおくる44才のマックスとの20年におよぶ文通を通した交流が描かれています。

予告編にでてくるマックスの「きみは完璧じゃない。もちろん僕も。欠点は選べない。でも友だちは選べる。」
というセリフが印象的です。

誰にでも欠点・弱点ありますが、それが何かによって結構人生違ってしまったりはしますよね。
選んで生まれたわけじゃないんだけど。

こちらはナレーションではなく各登場人物に声優さんがいます。
そして楽曲が良いです。
【ハーヴィークランペット】の楽曲もそうでしたが、各重要シーンで、よりグッとくる楽曲が使われています。

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|閲覧注意!世界中にファン多数【CHAINSAW MAID】(チェーンソーメイド) 


ホラーというかスプラッター?ですかね(^^;
苦手な方はお控えください。

ただクレイアニメのホラー・スプラッター系の作品は結構多く、人気もあります。

そしてこの作品は2007年当時学生さんだった(京都大学です!)長尾武奈さん(1986~)の制作ですが、
YouTube再生回数739万回!アニメ動画の中でも群を抜いています。
海外の映画祭などでも上映されています。

メイドさんがご主人様とその娘さんを襲い来るゾンビから守る、その武器がチェーンソーというタイトルそのままの
わかりやすいストーリー。
合間に「んっ?」と笑えるところも挟まれています。

メイドさんがキュートで、全体的に色彩が明るくポップなイメージなのであまりドロドロという感じはしません。
(とは言え個人の感想です(^^;ご注意を!)

長尾武奈さんは高校生の頃からクレイアニメの制作をスタート。現在も個人で『ていえぬシアター』というサイトを
運営されていて、お仕事ではかわいいキャラクターも制作されています。

※閲覧注意※
 https://www.youtube.com/watch?v=6d-tNXxTRBA&t=12s


|世界中の子どもたちへ。権利フリー【映画の妖精フィルとムー】 


2012年より途上国に移動映画館を届けているNPO法人World Thater Project(ワールド シアター プロジェクト)が
WOWOW『映画工房』と協力して、クラウドファンティングを募り製作した世界中どこにでも届けられる権利フリーの
クレイアニメ映画です。


2017年制作。監督・脚本・編集を【ニャッキ!】の伊藤有壱さんが教授をされている東京芸術大学大学院映像研究科
アニメーション専攻出身の秦俊子さん。

企画・ストーリー原案・脚本・フィルの声優を斎藤工さん
ムーの声を板谷由夏さん、という豪華な方々が集結されています。

映画のフィルム柄の帽子をかぶった『Fill(フィル)』と夢の種の『Moo(ムー)』が出会って、スクリーンの中を
旅する約8分間。

ラストは一瞬「え?夢落ち??フィルは一人ぼっちのまま?」と不安になりましたが、そんなわけないですよね(^^;
夢の種を植え、ニッコリ目をつぶる『Fill(フィル)』を見てホッとするくらい8分間に感情移入してしまいました(^^;

クレイアニメは、その容姿やくるくる変わる表情、動作、音の組み合わせでキャラクターの性格や境遇、
ストーリーがイメージできるので、本当に年齢、性別はもちろん言葉や文化の壁を越えて、世界共通で楽しめるもの
だと改めて思いました。

世界にはホントに色んなジャンル、色んキャラクターのクレイアニメがあります。
またいずれ、ご紹介で出来ればと思います♪

💡クレイアニメVol.1はコチラ▶
💡クレイアニメVol.2はコチラ▶


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